HOME >>  活動レポート > 活動レポート 第2回食のハラール性に関する国際シンポジウム参加

活動レポート 第2回食のハラール性に関する国際シンポジウム参加

| 2014年6月20日更新 | 活動レポート

活動レポート

2014年6月17日

第2回食のハラール性に関する国際シンポジウム 主催:東京工業大学「ぐるなび」食の未来創成寄附講座に参加しました。

スピーカーとテーマ

Seikh Ail Achcar 南米のハラールチキン:認証とグローバルビジネス

Dr. Anwar Ghani 確実なハラール体制を採用した食肉輸出の方法、ニュージーランドにおける効率的なハラール肉生産

Dr. Mian Nadeem Riaz アメリカにおけるハラールビジネスとその認証プロセス

Dr. Florence BERGEAUD-BLACKLER ヨーロッパ5カ国におけるムスリム消費者とユダヤ消費者の食行動と認識

Dr. Jonathan A.J. Wilson 文化および消費からグローバルに見るハラールサービス

Darhim Dali Hashim 製造業のためのグローバルなハラール基準生成の試み

DSC03804 

ここ最近ハラールで沸き立つ日本の市場に、海外での市場の情報を注入することは事業者や行政にとって非常に新鮮で有意義であったと思います。環境は違えど、今回お話になられた方々は非イスラーム国をバックグラウンドに持つ方々で、アメリカ、フランス、ニュージーランド、イギリス、ブラジルの市場を紹介してくださいました。我々日本にとっての共通点は非イスラーム国であり、これらの国において、どのように国家の輸出政策として取り組んでいけるのか、ムスリム市場をどのように捉えるといいのかを伺うことが出来ました。

 

午前中の講演は特に、ハラールと畜について、非イスラーム国家であるブラジル、ニュージーランドの政府が、ハラール肉の輸出をどのように効果的にするのかをお話されていました。ニュージーランドのAnwar氏によると、非イスラーム国家であっても、政府が一つの宗教に対して特化している、という概念や、それを規制する法律はなくあくまで経済効果を見込める輸出促進のための政策であると捉え、農業省にイスラーム非営利団体が「Halal Advisory Council」としてハラールと畜に関する助言をする機関を設けています。これがNZで歴史のあるハラール認証機関であるFIANZの役割です。非イスラーム国において、一つの宗教に拘るとか、加担するとか、そういった次元の話しではもはやなく、これが経済効果を生み出すという事例から多くの非イスラーム国家がハラール産業に早くから乗り出しています。食肉の輸出がメインである国々にとってイスラーム圏への需要を満たすことは必要不可欠であり、今迄以上に大きな市場を獲得することにもなります。NZは競合であるアメリカを押しのけて市場参入することができたのですから、それに取り組まない理由はないということです。イギリス、フランスも相次いで同じ方法でイスラーム圏への食肉輸出を開始しています。これらの点においては、日本政府は、このような国々をお手本にするべきであると思います。

日本も例外ではなく、和牛というブランド肉を欲しがる需要は確実にあります。私自身も各国のハラール関係のイベントに参加しますが、その度に「ハラール和牛はまだか」と聞かれるくらいです。

 

また、フランスの市場をお話になられた内容には、フランスにおけるハラールとユダヤ教のコーシャ市場の違いを比べながらご紹介されました。フランスはヨーロッパでも3本の指に入るほど、国内のムスリム人口が多く、国内でのハラール肉や加工品の需要があります。フランスではハラール展示会に参加してみると、ムスリムの生活も忙しくなってきているのでしょうか、ハラールファーストフード、冷凍食品が目立ちます。フランス政府は昨年の中東でのイベントの際に、フランス製のハラール肉の安全性や品質の保証を売りにプロモーションをしておりましたが、政府のそういった動きは、実際のフランス政府のムスリムを一部弾圧するような法律を設けているにも関わらず、完全にそれとは切り離し、経済効果が見込めるハラール肉の輸出に政府自らが行動をしています。フランスの場合は、大きなモスク3つを指定し、それらが認証した商品のみを政府承認のハラール製品として輸出をしています。また、マルセイユではヨーロッパを中東と北アフリカに繋げるハラールロジスティクスを形成している世界初の港になります。

 

お昼には、東工大の学食のハラール弁当を頂き、ここにはハラールラーメンやチキンカツ丼なども販売しているとのことで、また別の機会にご試食させて頂きたいと思います。お弁当はあえて、調味料を使わない内容にして頂いておりましたが、我々個人が食する分には特に明らかでない限り、基礎調味料である塩や砂糖を使用することは問題ありませんが、お気遣い頂いた関係者の方々には感謝致します。

 DSC03806

午後からの講演は、食肉からはなれ、イギリスにおける市場の紹介と、イスラミックブランディングのあり方などのご紹介でした。「その土地の文化xイスラーム」がまさに鍵であり、日本においては「日本のハラール」「日本人ムスリム」などというキーワードが今後のテーマとなると思います。イスラームは土地との融合性があり、中東や東南アジアのイスラーム文化をそのままインポートするのではなく、その土地にすでにある文化とイスラームが融合していき、初めて新しいアイデンティティーとなります。マーケティングに関しては、よく協会にも多くの方々がご相談にお見えになりますが、多くの方が、そもそものマーケティングを見失って、イスラームやハラールという言葉によって白紙にされていることがあります。ハラールを元に商売を展開しようと思うのであれば、基本的なマーケティングは欠かせず、その上にハラール性という付加価値をつけます。ハラール認証を受けることはゴールでなく、販路開拓のための手段にすぎません。「イスラーム圏向けに、良い売れる物を作り、ハラール認証をもって販路開拓する。」この順序が大手企業様においても、逆転している企業様もよくお見受けします。

講師自身も改宗イスラーム教徒であることから、イスラーム圏のムスリムとは違う視点で、非イスラーム国でのマーケティングに取り組まれていると思います。イギリスにはフランス同様、若い世代のジャパンフリーク(日本大好きな人たち)が漫画や和食を通して存在する、とおっしゃっておりました。イスラーム圏だけではなく、イスラーム人口が比較的多いヨーロッパや欧米も、ハラールの市場になります。

日本製ハラール製品、ハラール和食、日本人ムスリム、日本のイスラーム。

「和xイスラーム」というテーマをどのように表現できるのかを筆者自身も模索しております。

そのうち、電子機器や自動車産業で日本企業が成功したように、ハラール食品において、スイスのネスレがそうなったように、日本の食品メーカーが世界の「The ハラール」になる日も、そう遠くはないのではないでしょうか。

DSC03809 

最後のIHI Alliance のDarhim氏の講演では、世界統合ハラール認証基準の作成を試みてみたが、結果不可であったこと、今現在も別の組織であるSMIICが作成をしましたが、これがOIC諸国に浸透するか否かは、多くのキャンペーンを実施している割には、コアな市場を握るマレーシア、インドネシアやサウジアラビアが合意しないこと、出来ないことから、世界統合はほぼ不可能ということになります。可能性があるとすると、中東地域、南アジア地域、東南アジア地域にわけて3つの統合するのが一番現実的では、という提案でした。実際それしか方法はないと思います。一番のネックは学派の違いですので、これらを一方に偏る、あるいはその逆をすることは必ず誰かにストレスがかかってしまうことから無理があります。それでは、学派の地域ごとにわければ、ある程度統合は可能なのではないだろうか、という見解です。

 

私にとって、答えは分かりきった内容でしたが、日本の方々に知ってもらいたい意味でDarhim氏に質問をし、答えて頂きました。「世界統合基準を作ることがこれほど困難なのに、日本には、日本が非イスラーム国家であるにも関わらずハラール基準を作成してはどうか、という人たちがいる。それに対して、仮に日本が独自のハラール基準を作成したとして、果たしてイスラーム圏は受け入れるでしょうか。」Darhim氏は「もちろん、ガイドラインくらいは必要だが、ハラール基準を作るのはあくまで輸入側であるイスラーム圏の国に限られている。」と御尤もな回答をされました。

私がこの質問をあえてした理由は、この点を理解していない、自称ハラール認証機関や、事業者らが多くいて、新聞記事でも拝見したこともありますし、個別に呼びかけを持ちかけられたこともあります。

ハラール基準は、輸入国側が日本のハラール基準を受け入れなければそれ迄なのですから、その国の基準に準じて認証することは明らかです。

 

最後に、私も観覧席からマイクを握らせて頂き、今回の講演が日本の事業者らにとって日本以外の非イスラーム国での市場を知る良い機会になったこと、そして我々を国際的に通じるハラール認証機関として育成して頂いたIHI Alliancesとマレーシア政府JAKIMが、我々がこうして認証機関として機能できる理由で、それに対する感謝の気持ちを、この場をお借りして述べさせて頂きました。

DSC03812

他、主催者の皆様とスピーカーの方々にも本セミナーを実現頂いたことに感謝致します。また、スピーカーの方々のほとんども、海外のハラール関係の会合で合うメンバーで知り合いの方々ばかりしたし、来場された方々の中にもよく知る方々もいらっしゃいましたので、私にとっては、まるで同窓会のような雰囲気で有意義な時間を過ごせました。レモン 史視

 
facebook
  • ハラールとは
  • 企業の方へ
  • 会員のご案内
  • セミナー・講習 開催案内 
  • ハラール認証取得企業一覧
  • 代表ブログ

お問合せ

NPO法人 日本ハラール協会

〒547-0035
大阪市平野区西脇1丁目1番2号
ミヤコ三愛ビル
FAX:06-6704-7081
Mail:info@jhalal.com

お問合せ

 

このページの先頭へ戻る