施設のムスリム対応｜NPO法人日本ハラール協会

施設のムスリム対応

礼拝施設設置について

ムスリムには１日５回のお祈りの時間があります。それは旅先であろうと、仕事中であろうと、ショッピングや遊戯の最中であろうと時間が来れば礼拝をします。

出先であれば礼拝をするスペースを探すのに一苦労する場合があります。一般的には礼拝堂（モスク）や礼拝所（ムサッラー）があるところであればそれらを利用することができますが、特別なスペースがない場合は、公園や階段の踊り場などひっそりと一目につかなさそうな場所を選らんで行うことがあります。

一目に触れながら礼拝をするのはなかなか勇気がいる上、私有スペースであれば勝手に場所を利用することもできず、他人に見られると不審者として通報される可能性もあり、礼拝に集中どころではありません。

また、礼拝前にはお清めを行いますが、専用設備がない場合は一般の洗面所を利用します。ムスリムではない人の目からは奇妙な行動に見えるため恥ずかしい思いをすることもしばしばです。

昨今、訪日ムスリム観光客が増加した頃から、大都市では主要な駅や空港をはじめ、街の中にも礼拝スペースが点在するようになりました。利用が滞っている場合など一時的に閉鎖されている場合も少なからずありますが大変ありがたいサービスです。

そこにそのスペースを設けることに関して提供者側のメリットを考えてみましょう。例えばショッピングモールやデパートの場合を例にすると、ムスリム消費者が施設をより長時間利用することを可能とすることから、そこでショッピングをする、飲食店なども利用する機会が増加します。

空港や駅に関しても、利用してはいけないスペースを勝手に利用されるなどなくなり、施設の治安や管理を的確にすることができます。利用者のことを思い、おもてなしの精神でサービスを提供する素晴らしい取り組みはきっと利用者の心にも届くと思います。

礼拝施設設置に必要なもの

商業施設、駅・空港、宿泊施設、飲食店などにおいてムスリムが利用できる礼拝スペースを設置する場合、簡易的に設置する場合は、清潔で礼拝ができるスペースのみの提供だけでも十分ですが、ムサッラーとして設置する場合は以下のようなものがあると尚良いです。
＊清潔・静寂で１名以上が入ることができるスペース（男女分けるスペースがあれば尚良い）
＊小浄場（ウドゥをするところ、水が利用できる場所、お手洗いと隣接していると尚使いやすい）
＊キブラ（メッカの方向を指す矢印）
＊礼拝マット
＊女性用礼拝着（あれば尚良い）
礼拝の際には頭を床につけたり、床に座ったりすることがありますので床にはカーペットがあると利用しやすくなります。

弊会がご提供可能な礼拝施設設置のためのサービス（有料）
施行マニュアル
施工員派遣（イスラーム法修学者）
キブラ設置とキブラシール
男女別礼拝所サイネージ
礼拝マット・女性用礼拝着など備品は別途販売

過去施工例：

空港・駅　礼拝施設アドバイザー
複数都市にてショッピングモール内　礼拝所設置（フル装備）

キブラ設置について

礼拝をする際には毎回メッカの方角を向いて行います。自宅や普段使用するスペースでの礼拝以外で、出先などで礼拝する場合は個人差はありますが通常キブラコンパスを利用して方角を見つけたり、最近はスマホのアプリでも確認することができます。しかし、コンパスの場合は建物資材として鉄筋があったり空調設備によって正確に見つけることができない場合やスマホの場合も正確性に疑義がある場合があります。

神さまに祈りをささげる大切なことですので、静寂で清潔な場所で、正確にキブラを確認することが最善です。原始的な方法ではありますが、キブラは太陽の動きで確認することが一番正確であるとされており、弊会ではこの方法を採用しています。これをイスラーム法に精通したムスリムが設置を行います。
キブラが確認できると、キブラシール（矢印）を添付していきます。