日本ハラール協会は、JAKIM(マレーシア)、MUIS(シンガポール)、BPJPH(インドネシア)、HAK(トルコ)及びGAC(湾岸諸国)とMOIAT(UAE)から承認・認定されたハラール認証団体です。
活動報告 Conference of Southeast Asian Ulama 2022
主催: Muslim World League (ムスリム世界連盟)
ホスト:JAKIM Malaysia
場所: The Sunway Resort Ballroom, Kuala Lumpur
開催日:2022/6/30
2022年6月30日クアラルンプールでマレーシア宗教省(JAKIM)とMuslim World League(MWL)が共同で「平和、協調、団結」をテーマに表題のカンファレンスを主催しました。会場では1000人以上が出席し、アジア諸国より全27か国から国を代表する44名のイスラーム学者やイスラームに関する活動をする方々が招かれ、恐縮ながら日本からは私、NPO法人日本ハラール協会理事長としてレモン史視がご招待を受けました。
マレーシア宗教大臣Datuk Haji Idris bin Haji Ahmad氏に続き、サウジアラビアに本部を持つMWL事務総長Sheikh Dr. Mohammad bin Abdul Kareem Al Issa閣下のスピーチの後、現マレーシア首相Dato Sri Ismail Sabri bin Yaakob氏がスピーチをされ、各ゲストへのご挨拶とされました。
最後は初の女性JAKIM所長で、12年前当時はJAKIM Halal Hub副所長で我々JHAをハラール認証団体の端くれへと導いたHakimah Mohd Yusoff氏がご挨拶されました。
マレーシア首相とMWL事務総長は、各国代表に各々丁寧に直々にご挨拶をされ、マレーシア首相が私の前に立たれた時に「日本には何人のムスリムがいるのか」と質問され「約180,000人です。人口の約0.1%です。」と答えると、「まだまだやるべきことがあるな。」と仰いました。
昨今イスラーム圏を含む世界の国々で混乱が続く中、これらを乗り越えるにはどうするべきなのか、各国代表らは順に5分程度の持ち時間でテーマに沿ってそれに対する各々の考えを述べました。ある学者のお話の中では「すでにイスラームではイスラーム法の中に家族を守る事項、近所の人やコミュニティーを守る事項、妻・夫・こどもの役割など方針が定められているのに、これらに則って生きていれば問題ないはずなのに、それに則らないが故にゆがんだ社会になってきているのではないか」と仰いました。
イスラーム学者を前に、恐れ多くもイスラームの本質の話をするのは遠慮したい気持ちでいっぱいでしたが、私は「ムスリムは神さまより与えられた特別な秘密があり、特別な秘密とは「神さまへの忠実な愛」である。それが「平和・協調・団結」の解決法の鍵である。また、その愛を隔たし不和を生じさせるものは多くあり、それを乗り越えるためには尽力する必要があるが、「神さまへの忠実な愛」を何よりも最優先にし、我々のコミュニティーの中でそれを持つ次世代を育てることが、我々にとっての最も大きな課題である。」という話をしました。
また、日本には生まれながらにムスリムである日本人が2世、3世が誕生しており、新しく入信する日本人や外国人のムスリムも含め、ムスリム人口が増加傾向である反面、女性や子供のイスラームの教育、問題を抱えるムスリム女性に寄り添う団体、新しい入信者へのサポートなど諸問題を解決していく人材を含む資源が不足していることから、会場にいる兄弟姉妹全員に是非サポートをお願いしたいと申し出ました。
閉会後は、イギリスのメディアからのインタビューを受け、会場で話した内容の要約と、今後ムスリム兄弟姉妹に何をサポートしてほしいのかを改めて述べよ、とのことでお話をしました。
今回は初めてハラール認証団体の代表としてではなく、一ムスリムの日本代表として参加しました。学者でもなんでもない自分がそれを担うことに終始その責任の重さを感じ、当日早朝入りし休憩する間もなく開始されたので疲労も無視し遂行に集中することに注力しなければならないほど緊張もしましたが大変身に余る光栄な機会でありました。2つの話を述べたあと、サポートの依頼をしたからにはそれを受ける体制も持たなければならないことから、日本におけるムスリム、その次世代がしっかりとイスラームと向き合えるためにできることを今後もみんなで一緒に考えていきたいと強く思いました。
レモン史視
2022年7月4日