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ハラール認証とは

1.はじめに

私たちがハラール認証活動を開始した2010年当時、国内でハラール肉を手に入れることは今ほど簡単ではなく、また、手に入ったとしても輸入の冷凍品が中心で、日本食には合わないものがほとんどでした。その後、オリンピック開催決定を契機としたインバウンドツーリズムの盛り上がりとともに、国内でもハラール食品やハラール認証の需要が高まり、徐々にハラール食品が一般に知られるようになってきました。最近では、オンラインショップの普及により携帯電話ひとつでハラール肉の調達ができたり、各国のハラール食品を楽しんだりできるようになりました。

一方、世界では「Global Halal Industry(グローバルハラール産業)」が、新興産業として年々勢いを増しています。今やハラールを求める消費者のニーズは食品だけに留まらず、医薬品・サプリメント・化粧品・衣料品・ツーリズム・金融など、生活に関わるあらゆるものに広がっています。ハラール産業は、ムスリムの生活全般に関わるあらゆる物事が対象になりますので、冠婚葬祭・教育・スポーツ用品・マッチングアプリなど、まだまだ伸びしろの多い産業分野であるといえます。

しかし、ハラール産業へ参入する上で、ハラール認証取得が必須ということではありません。ハラール産業への参入については事前に情報収集を入念に行った上で、ハラール認証取得が本当に必要かどうか見極めた上で、認証取得を進めることをおすすめします。ハラール認証が不要なものまで認証を取得する必要はありません。ハラール認証はあくまでも消費者ニーズに対する付加価値を高めるためのものである、ということを念頭において、本当にハラール認証が必要なのかどうかを見極め、自社のマーケティングツールとして活かしていかれることを願っています。

 

2.ハラール認証とは

ハラール認証とは、簡単に言えば、「イスラームで禁じられるもの」すなわち「ハラームなもの」が、製品やサービスに含まれていないことを客観的な証拠をもって確認し、認証する仕組みです。

当協会のハラール認証監査では、認証対象の製品やサービスに関する情報をすべて開示していただき、「ハラームの可能性があるもの、疑わしいもの」が含まれていないかを確認します。製品の場合は、原材料そのものだけでなく、製品や原材料の製造過程・使用包材・社内の管理方法なども監査の対象となります。それらを監査員がひとつずつ確認し、ハラームの可能性が排除できており、ハラール性が担保できていることを確認します。

もともとハラールな原材料であっても、その製造過程でハラームなものに触れてハラール性を損なうことがあります。そのため、製品の原材料そのもののハラール性の担保だけではなく、それらの製造過程や取り巻く環境のハラール性の担保も重要になります。

ハラール認証運営図 1.製品・サービスそのものハラール性担保 2.それらを取り巻く製造環境のハラール性担保 3.ハラール管理システムで維持・管理

ハラール認証運営図
(クリックで拡大)

これら3つの重要な要素をそれぞれ管理することでハラール認証を確実に運営することができます。

 

3.ハラール認証基準・ハラール認証制度とは

 ハラール認証の監査は、「ハラール認証基準」に基づいて行われます。世界には各国の認証監査で使用される主要な認証基準がいくつかありますが、世界統一的な認証基準があるわけではありません。そのことがハラール認証はわかりにくい、といわれる要因のひとつにもなっています。

そこで当協会では、2019年に主要各国の認証基準を取り込んだ、当協会独自の認証基準「JHAS」を策定し、認証監査で使用することにしました。そのことにより、当協会で認証を受けた認証品は、各国で最低限満たしていなければならない基準を満たしていることになり、ハラール認証品として輸出する場合の安全性・信頼性が高まったと言えます。

また、ハラール認証基準と同様に、ハラール認証制度自体も国によって異なります。ハラール認証を政府機関が直接行っている国(例:マレーシア、シンガポール、インドネシア等)もあれば、政府が認定・管理する認証団体が行っている国(例:オーストラリア等)や、政府の認定そのものがなく任意団体がハラール認証を行っている国(日本や欧米)があります。特に、政府の認定制度がない国におけるハラール認証団体の信頼性を計る術がないことが、世界でも問題となってきており、認証団体の信頼性を計るひとつの指針として、認証団体の海外承認/認定制度が生まれました。

 

 

4.当協会のハラール認証の特徴

当協会は、2012年マレーシア政府JAKIM、2013年シンガポールMUISよりハラール認証団体として承認されました。その後、2016年には日本国内のハラール認証団体としては初めて、湾岸諸国承認機関GACより認定を受けました。GACの認定は、国際基準に則って公正にハラール認証業務を行っている団体にのみ与えられるもので、国際的にはもっとも信頼性の高い認定とされています。

また、2018年にはタイCICOT、2019年にはインドネシアMUI、2020年には台湾THIDAより承認を取得しました。従って、2022年現在、当協会のハラール認証書は、マレーシア、インドネシア、シンガポール、湾岸諸国、タイ、台湾などの国々において有効なハラール認証書と認められています。


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